塾講師のアルバイトの指導方法 生徒の成績を上げるための最善策

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みなさん、こんにちは。みなちかです。

今日は、『塾講師のアルバイトの指導方法 生徒の成績を上げるための最善策』について書いていきたいと思います。

仕事はなんでもそうですが、必ず壁にぶつかります。

上手くやっているつもりなのに何故か上手くいかない、自分にはこの仕事は向いていないじゃないかとか、こんな大変な仕事をしているのは自分だけなんじゃないかとか。

塾講師をしていても例外なく、何度か壁にぶつかります。

自分が教えている生徒が突然塾をやめてしまったり、あんなに一生懸命教えたのに成績が全然上がらなかったり。

特に学生アルバイトの人はそんな悩みを抱えがちです。もちろん先生だけのせいだけではないと思いますが障害の影には何かしらの原因があるはずです。

環境や経験年数が違うので、私が現在実践していることをすべての人が実践することは難しいと思いますが、今日はできるだけ皆さんの悩みが解決できるようなヒントを書いていけたらなと思います。

ちなみに、私が現在担当している中3の成績ですが、7月に受けた会場テストの偏差値(5教科)より現在、5以上伸びた生徒が89%、10以上伸びた生徒が21%存在します。おそらく地域で1番の伸びだと思います。(私が5教科自らすべて教えています)

偏差値5を伸ばすということは、およそ5教科でプラス80~90点くらい取る必要があります。前回5教科で300点くらいだった生徒が380点くらいになる感じです。

これは、特に驚くことではなく、しっかりとルールを守ってやればできることです。

夏合宿なんてあんな非効率なことやっていませんし、1日12時間勉強なんてやってもいません。塾生達は塾のない日は友達と思いっきり遊んでいます。でも、成績は上がるんです。

塾の形態によって指導方法や注意点が異なるので、今日は『個別指導』と『集団指導』の2つに分けて、私が考えるそれぞれ大切な最善策を書いていきたいと思います。

塾講師のアルバイトの指導方法 成績を上げるための最善策

個別指導

最善策その1.教えることをパーツに区切る

個別指導の場合は、目の前に生徒がいるので、少し進捗に詰まると教えたくなりますがそこを改善しましょう。では、教えないでしばらく放置すればいいのか。もちろん違います。先生は教えるためにそこに座っているのですから教えることはしなければなりません。

では、どうするか。教えることを『小出しにする』のです。最初は1つの問題を3つから4つくらいにパーツに区切って1つ、1つのパーツを完成させていくやり方にします。

一通り全部説明してから類題を解くやり方ではなく、説明したところまでやらせて、また説明してそこまでをやらせていく。そうすることによって、生徒が思考する量が減り、先生についていくことができます。

慣れてきたら今度は問題を2つくらいのパーツに区切ってやらせてみるとよいでしょう。

個別指導の生徒は考えることが苦手な生徒も多く、たくさんの情報を一気に処理することができない場合も多々見られます。やらなければいけないことを最小限にして1歩1歩進んでいくことが重要です。そして1つ1つできたら必ず褒めてあげましょう。これも非常に重要です。

最善策その2.教えすぎない

個別指導の生徒の成績が伸びない原因の1つが『教えすぎ』です。特に学生の先生は分からせようと思って、一生懸命教えてくれる先生が多いので大変良いことなのですが、実はそれでは成績はたいして上がりません。生徒が先生の説明を聞いてわかった気になるのが最も危険です。

『分かる』と『できる』は違うのではなく、全く別のものです。

もちろん、分かる=できる人もいます。しかし、多くの生徒にとっては別のものです。それに、先生も生徒も気づきません。それでは成績は上がりません。

『1つ教えたら1つできるようにする。2つ教えたら2つできるようにする』ではだめです。

『1つ教えたら0.5できるようにする。2つ教えたら1つできるようにする』を目標としてみてください。要は、教えたことの半分ができるようになれば良いのです。10教えて10できるようになる生徒ならば塾なんて来ません。

ですから教えたことの半分のことができれば残りの半分を教えなくてもいいのです。ここまでよく頑張ったねと言って褒めてあげてください。欲張って、全部教えて全部できるようにしようとするとうまくいかなくなります。特に習熟度の低い生徒にはこれが効果抜群だと思います。

これを続けていくとそのうち1教えると0.8くらいできるようになっていきます。そうすればあと1歩ですね。

最善策その3.担当している生徒のテストには必ず目を通す 

これはとても大切です。点数だけでなく、どんなところで、どんな間違いをしているかをしっかりと把握しておく必要があります。塾内のテストだけでなく、特に学校のテスト(できれば小テストなんかも)に目を通してみてください。

生徒は悪い点数だと得てして見せたがりませんが、しっかりと見るようにしないと良い指導なんてとてもできません。本当に成績を上げたいなら必須です。

担当している生徒がどの問題で落として、どの問題で取れていたか、授業に必ずフィードバックできるはずです。

注意してほしいのはどんな点数を取ってきても叱らないことです。低い点数の場合、本人は低い点数であることの自覚はできている場合が多いので、しっかり励ましてやることです。

『先生と一緒にまた、頑張ろうね。』という温かい対応が生徒を安心させます。

『この先生をいい点数取って今度こそ喜ばせたい。』と思ってくれたら勝ちです。

集団指導

最善策その1.生徒を惹きつける授業と成績を上げる授業の比率を考える

一斉授業は個別指導と違い、目の前の1人の生徒だけ集中というわけにはいきません。時には授業の中に新規の体験生が入ってきたり、教室全体を管理するわけですからそれなりにテクニックが必要になります。

特に必要なのはその時、その時の授業の比率です

例えば、授業の流れを A導入 Bその日のポイント解説 C類題演習・解説 というカテゴリーにします。

AとBは生徒を惹きつける授業、『理解させる』授業です。Cは生徒の成績を上げる授業、『点数を取れるようにする』授業です

私の場合は主に3つの比率タイプを用意しています。

▼体験生がいる場合or習熟度が低いクラス  A20% B50% C30% 

▼通常の塾生のみor習熟度普通のクラス   A10% B30% C60% 

▼高学力クラス  A5% B10% C85% 

という具合です。高学力ほど演習時間を多くとります。習うより慣れろですね。体験生はやはり獲得したいですからとにかく『わかりやすかった』という感想をもらうことに重点を置きます。高学力のクラスであっても体験生がいればAとBを多めに取ります。

自分が担当しているクラスがどの比率で成績が上がるのかいろいろ試してみるといいと思います。

この、比率を変えるだけで成績が簡単に上がったりしますので。

最善策その2.その日の重要なポイントは最後まで消さない 

一斉授業は基本的にホワイトボードや黒板を使うと思いますが、何か工夫をしていますか?多くの先生は生徒がノートに写し終わったら全部消しちゃいますよね。私は全部消すことがほとんどありません。

その日の重要なポイントは最後まで消しません。最後に必ず皆でここを確認して授業を終了させます。これめちゃめちゃ効果あるんですが、やってる先生少ないんですよね。

うちのホワイトボード小さいから…みたいな意見もあってびっくりするんですがw

ボードが小さいなら100均行ってA3くらいの小さなボード(300円くらいかな)買ってくるといいと思うんですよね。そこにポイントを書いてずっと置いとくだけでもいいと思います。

今日塾に来てこれを勉強した。っていう生徒達に強く意識させる工夫が大切だと思います。

板書の仕方も工夫が必要ですがこれを書くと相当長くなるので割愛しますが、色々研究してみてください。(要望があれば書きますw)

最善策その3.難しい言葉をあえて使う 

なにか、塾業界の常識みたいになっていますが『難しい言葉を使わずに、生徒達がわかる言葉で授業しましょう』ということをよく聞きます。本当にそうでしょうか?

教科書に載っている言葉はこれからも使われる基本的な言葉ですので、結局それを覚えて、使えるようにしていかないと自分で何も解決できなくなります。もっと言うなら、難しい言葉が出てくる度に思考が止まります。

『不定詞の名詞的用法』だとか、『3単元のS』だとか、『yはxの関数』であるとか今後も避けて切り抜けられないような言葉が教科書にはたくさん載っています。それを使えるようになることは重要なことだと私は思います。

もちろん授業の導入でいきなり、今日は『不定詞の名詞的用法やるぞ』みたいな入り方はNGでしょう。当然簡単な言葉で説明をする必要はあります。しかし、簡単な説明をした後に、これは、 『不定詞の名詞的用法 』と言うんだということはやる必要があります。

学年を超えているような内容や、教科書に載っていないような難しい語句は必要ありません。しかし、教科書に載っているものならば授業に取り込んで問題ないでしょう

私は、昔若いころ、この難しい言葉を一切授業に入れずに授業をすることを売りにしていました。

『あの先生の授業は超わかりやすい』という評判もたち、はじめは生徒達も喜んでいました。しかし、成績が上がりません。生徒達はどんどん塾をやめていきます。

学校の授業や教科書と私の授業に差がありすぎたのが原因でした。私の授業を受けても学校の授業では先生が難しい言葉をバンバン使います。要は生徒達は即座に『変換』ができないのです。

それから私は授業を変え、必ず難しい言葉もわざと意識して取り入れるようにしました。すると成績がどんどん上がっていきます。生徒達は学校の授業でも『変換』をする必要がないのでより身についていくわけです。

難しい言葉もできるだけわかりやすく教えてあげて使えるようにしましょう。

最善策その4. クラス目標の設定の工夫

集団授業なんかではクラス目標みたいなものを決めているところもあると思います。これは、それなりに効果があると思うのですが、目標の設定も工夫が必要です。

例えば、昔ある塾に行った時に授業を見せてもらったのですが、そこの担当の先生がクラス目標で、次回の中間テストで『全員で50点アップを目指そう!』とやっていてびっくりしました。

レベル的には5教科平均300点くらいのクラスなので、気持ちはわかるんですが、即座に不可能だろうと思いました。もちろん結果は散々。まず、生徒達ができると思っていません。

クラス目標は達成されるであろうことが前提です。その目標を設定し、クリアすることで生徒を乗らせることに意味があります。そして必ず『報酬』を設定すること。

『報酬』というと眉をひそめる人もいるかもしれませんが、私の目標達成に対する報酬は例えば、『1週間塾の宿題無し』とか『1週間授業時間15分短縮』とかです。お金を使う必要など微塵もありません。

そして達成しなかった場合は『補習』を設定すること。

『ほうしゅう』か『ほしゅう』か1文字の違いで意味合いが大きく違いますねw

先のクラスで私がクラス目標を設定するとすれば

5教科のうち2科目を前回よりプラス5点あげること。これくらいでいいと思います。これくらいを設定すると全体的にプラス20点から30点アップも見込めます。

要は目標が低いから『ちょっと頑張ればいけそう』という感覚が大切です。そして、ちょっと頑張れば宿題が無しになるという報酬もゲットできる。

こんな感じで達成できそうな目標を設定してあげるとよいと思います。意外に効果ありますよ。

最後に

いかがでしたでしょうか。

私自身、大手塾にいたころは先生100人の前で色々な授業をして先生達の研修をしていました。これを書いていてそのころのことを思い出します。

塾をやり始めて数十年がたちますが、いまだに毎日が勉強です。時代が変わればやり方も変わってきます。今は良かれと思っていても数年後には使えなくなるかもしれません。

でも、『生徒達の成績を上げたい』という気持ちさえあればすぐに答えは見つかる気がします。

これを読んで良い先生が1人でも多く誕生してくれればこんなうれしいことはありません。

健闘を祈ります。

では、また。

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